停電4時間の出来事

お昼の14時頃のことだった。

突然、部屋の電気が全部落ちた。
ブレーカーが落ちてしまったんだと思った。
しかし、ブレーカーは上がったままだった。

 

一度ブレーカーを全部落としてみて、
少し時間を空けてもう一度上げてみる。
ということを二、三度繰り返すがダメ。

 

不動産屋さんに電話をしてみた。

「東京電力さんにお電話ですかねー?」

 

まずは大家さんに、というお話だったので、
大家さんにお電話したら「ちょっと行きます」と。
お隣のお隣に住んでいらっしゃる。

そしたら不動産屋さんと一緒に来てくださった。

 

不動産屋さんが、
東京電力さんにお電話してくれた。

すぐに来てくださるとのことだった。

不動産屋さんがインターネットで調べて下さっていた。

ブレーカーが落ちてなくても電気が落ちること、
結構あるみたいですよ!
途中のどこかのヒューズを変えるだけでいいみたいなので、
来てくだされば大丈夫だと思います!

 

その言葉を聞いて安心した。

電話から30分後くらいに電力会社の方が来た。

家に入り、ブレーカーを確認。

作業終了後、またお伺いします。

そう言って作業が始まった。

 

その1時間後。。。

申し訳なさそうに言った。

実は、現状何も出来ていなくて。
この部屋の電源を探しているんですが見つけられないのです。
不動産屋さんにご連絡できますか?

電話をして変わってもらった。
双方が少しだけ苛立っている感じだった。

その後、また作業へと戻られた。

 

段々と日が落ちていく。
部屋の中が真っ暗で、
頼みの綱は充電していたノートPCの灯りくらい。

灯りよりも寒い、寒すぎる。
凍える。ぶるぶる震える。

 

その1時間後。。。

申し訳なさそうに言った。

大家さんのお宅へ行きたいのですが。

お家まで行きご案内した。

 

その30分後。。。

家に入りブレーカーを確認する。
「つきました!やったー!」

そう歓喜の声を上げたかったが、
作業員さんのお顔を見てたら言えなかった。

「実は、これはとりあえずの応急処置なんです」

元の電源はなんとか見つかったのだが、
そこがもうショートして焦げてしまっていて、
今はその部品がないので工事が出来なくて、
ひとまず最小限の電気を送れるようにしているとのことだった。

2週間後に改めて工事をする。
工事中は停電になってしまうので、
また日程と時間が決まりましたら、
お知らせを入れておきます。

そう言って爽やかな笑顔で帰られた。

 

電気は偉大だ。

暗いのは我慢できる。
しかし寒さだけは何ともならなかった。

買い物に出かける予定だった。

家を出る予定が4時間ほど遅れてしまった。

細々としたものを準備しそろそろ出ようか、という頃。

また、ピンポーンと。

 

工事までの間、
また使えなくなってしまうといけないので、
それまでは電気を少し控えめにして欲しいと。

お伝え忘れてすみません。

ただそれだけを伝えるために、
重たい荷物を持って、
走って戻って来てくださった。

 

誠実な方。

お仕事をしている間は黙々と。

紳士的ですごくかっこいいと思った。

 

しかし。
寒かった。
震えた。

初めのうちは頑張って身体を動かした。
段々それも出来なくなっていた。

それでも最後、
あたたかい気持ちになった。

 

お兄さん、ありがとうございました。

 

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