ブラザー

お昼頃。

シャワーを浴びたら着信とメールが届いていた。

とりあえず着替えてから返事しようと思っていたら、
再度、電話が鳴ったので出ることに。

「家って4階だよね?」

「そうそう」

「家の下に居るんだけど、今から上がるね」

ダッシュで着替えた。
部屋もできる範囲で片付けた。

兄がコンポを持って来てくれた。
もっと早く言ってくれたら下まで取りに行ったのに。

兄と2時間ほど話をする。

私がお正月に実家に帰り、
東京に戻ったのと入れ替えで兄が帰省していた。

沖縄に住む家族や親戚の話やこれからのこと。
約1年前にもしたことのあるような話だ。

同じような内容でも、
当時に聞いた気持ちとはまた違っていた。

言っていることはすごく理解できるし、
言ってくれることは本当にありがたい。

私自身も全く考えていないことでは無いから、
心の何処かで色々な選択肢を見つけては、

「あぁ、こういう人生もアリだよな。」

なんて思うこともある。

きちんと考えたくて、
今年から身の回りを少しずつだけれど、
色々と整えている最中だったから、
ありがたいなぁと素直に思う。
家族でないと言えないこともあるから。

今の私はまだ、
やらなきゃならない目の前のこと、

それを一生懸命やるだけだけれど、
これからのことを、
ちっとも考えていないわけではないよ。

いつか兄と一緒にフルマラソン走れたらいいなぁ。

 

兄のお嫁さんが兄にお菓子を託してくれていた。

ドイツのお菓子やさん。
すごくシンプルなお菓子。

しかし。

兄は私が家に居なかったらどうしてたんだろ。

メールの文面を読んでも、
「家に居る?」とか聞くまでもなく、
「向かってます」って居る事を前提に送っている。
メールから到着までも30分くらい。

不思議だな、と思った。

普段、なかなか家に居ないんだけど。
兄は自信満々だった。

さすが、ブラザー。
いつも心配かけてごめんね。

またフラリと遊びに来てね。

「人生1回しかないからな」

そう言った兄を思い出しながら、
いただいたお菓子を頬張った。

私も常々思っていることだった。

ドイツのお菓子はほろ苦の大人の味。

ちょうどいい甘さが、

優しさと染みていきました。

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