昨日の続き。
うどんを食べたあと西川氏と打ち合わせ。
話さなければならないことは、
もちろん山ほどあるわけだが、
互いに作業しては相談することもあり、
それが永遠に繰り返される。
その後にちょっとお散歩に付き合ってもらう。
「どうしたの?」そう言われた。
「ちょっとリセット」そう言った。
ここ数日の間にフル稼働させていた頭を冷やしたかった。
「井の頭公園に行こう」そう言った。
変わったような変わらぬ井の頭公園。
池の水が抜かれていて、代わりに雪が積もっていた。
美しかった。
井の頭公園に行こうと言った時に、
西川氏はすぐに「向こうじゃなくていいの?」と聞いた。
お気に入りの公園があることを知っていた。
「いや、あそこにはまだ行けない」そう言った。
「そうか」
そんな静かな会話の後、
井の頭公園に向かおうと歩いている最中に、
安い焼き鳥の看板を見つけてしまった。
立ち止まり黙って看板を見つめる私に、
静かな調子のまま「行こうか」そう言う西川氏。
「いや、うん、でも、うん。」と答え、
その店に行ったわけだけれど。
これが大誤算というか。
話をしたいのに、
話が出来ないないほどにうるさいお店で、
私が何を言っても「え!?え!?」と聞き返される。
大きな声で同じ話を3回ずつしないと伝わらない。
お店の店員さんのフレンドリーな感じも、
本当なら嬉しいはずなのに、
「友達か!」と突っ込みたくなる感じに、
頭を冷やすどころか、熱くなってしまった。
西川氏はおそらく私の何倍も。
その後に行った井の頭公園は、
スーッとした空気で気持ちよかった。
アコギで歌を歌っているお兄さんが居て、
その歌を遠くのベンチから聞いていた。
すごいノリノリで、
身体を揺らしながら歌っている。
「かつて見たことないくらいのノリだよ!」
そう言ったら西川氏は冷静に
「ライブハウスでマイクの前であんなに動いて歌った無理でしょ」
「あ、そっか!」と妙に感心してしまった。
ベンチに座る私に「寒いから」と座らない西川氏。
「ちょっと座って見上げてみて。相当、幸せだから。」
そう言って歌を聴きながらベンチに座り、
月を眺めることを提案したが、一瞬だけ座って
「寒い」と言ってまた立ち身体を温めようと動き出す。
「寒くないの?」そう何度も聞かれた。
「なんか、寒くないんだよね。ずっと見ていられるよ。」
帰りたそうな西川氏にそう言った。
いつもは私の方がさむがりなのにな。
なんでそんなに寒いんだろ、
風邪でもひいてるのかな。
なんて思いながら家へ帰る。
家に帰って気がついた。
背中とお腹に貼るカイロをしていたこと。
なるほど。
私が寒くなかったのは、これのおかげだ。
今はただただ、西川氏が、
これを機に風邪をひいていないことを切に願う。