REC.2:今だからこそ

朝起きてコンビニへ行き、
買い物と軽い食事を済ませスタジオへ向かう。

気持ち良い空気。

正直な気持ちは、
あともう少し寝ていたい。

シャワーを浴びて身体を起こす。

今日の太陽も眩しかった。

昨日の続きが始まる。

曲によって少しずつ色々と変化していくドラムセット。

録音した音を聞いてはシンバルを変えてみたり、
ドラムセットのヘッドを外してみたり付けてみたり。

やれることはとりあえず全部やってみる。

しかし時間は限られている。
だからと言って妥協はしたくない。

ドラムを撮り終えたらピアノの録音が待っている。
時間の許す限り、ギリギリまで粘ろう。
そのためにいつでも録れるよう指を整えよう。

ウォーミングアップをする。
ピアノに触れられない間も動かすように。

そう思っていたわけだが。
この空を見たらそんな気持ちが変わった。

変わったというよりも消えて行った。
消えて行ったというよりは気にしなくなった。

今回の制作は、
締め切りなんて自分で決めるもの。
予定よりも遅れてしまったところで、
間に合うとか間に合わないとか、
それはあくまでも自分で設定した期日だ。

それに追われて今更どうする?

私のCDのリリース日が少し遅れたところで誰が困るのだろう。

自分で目標や期日を設定し、
そこへ向かってエネルギーを費やすことは、
とてもとても大切だと思う。
具体的な予定をきちんとこなしていくこと。

でも、それを守ることを優先し、
一番大切な部分を妥協してしまうのは、
今の私がやることでは無い。

何より今ならまだそれが出来る。
納得するまでどれだけでも時間をかけられる。

もちろん。
予算にも限界はあるわけだから、
適当な妥協点は必要だけれど、
だからと言って後悔はしたく無い。

今という時間は今しかないし、
その瞬間を真空パックのように、
新鮮なままに閉じ込めるのも素敵だけど。

レコーディングしながら悩み考えながら、
ひとつずつきちんと作っていくのも、
今だからこそ出来ることだ。

 

ダメだったら、イチから録り直す。

それくらいでいい。

今はそう思う。

 

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