どこでもいい

この日はせっかくだから、
西川さんの行きたいところに行こうと。

「どこでもいい」そう言っていたが、
いくつか場所を提案して、
アウトレットモールに行くことにした。

バスにゆらゆら揺られながら、
約1時間かけて向かう。

連休明けのアウトレットは、
人もそんなに多くなく動きやすかった。

特別な目的があるわけではないので、
互いに見たい店を見てちょっと休憩。

ちょっと休憩のつもりが、
まあまあ食べてしまった。

「せっかくだし」
そんな気持ちになる。

「もうひとまわりするか」

なんて店を出たらきれいな空。

「沖縄は空が広いでしょ」
まるで自分のもののように自慢をする。

自分のお気に入りを、
気に入ってもらえることが嬉しいと感じる。

空の写真を撮っていたら、
母から電話が鳴った。

帰り、迎えに来てくれるという連絡だった。
その時間まであと1時間。

そこから買い物が始まった。

到着してあんなに長い時間、
だらだらと眺めていたのに、
時間に追われる感覚が
買い物の決断の背中を押す。
たった20分くらいで慌てて決める。

衝動買いに近いな。
買ったことをあとで後悔しませんように。
きちんと大切に着ようと思う。

 

あとは、
西川さんが楽しめたならいい。

母との電話の最中を、
西川さんが写真に撮っていた。

私は、こんな顔して話してるんだな。

母さん、
お迎えどうもありがとう。

 

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