「私」があるだけ。

渋谷へ向かう。
いつ振りだろう。

雨で電車が少し遅れていた。
道も混んでいるのではないかと不安になった。
思っていたほど混んではいなかった。
道もそうだし、バスもゆったり座れるくらいだった。

診察と検査。
通い慣れていた病院も、
今回だけは少しばかり緊張した。

不規則な生活が続いている。
完全に寝不足の状態だから、
血液検査に影響が出そうだなぁ。

でも「大丈夫だろう」そんな思いがある。

確かに身体は疲れているけれど、
気力があり元気だから。
本当にダメな時は気持ちも持って行かれる。
その感じはまだ無い。

結果はまだ先だけれどきっと大丈夫。

そんな気がしている。

 

午前中で病院の予定を済ませ、
バスでまた渋谷に戻る。

久々に渋谷を歩いてみた。

西武百貨店の大きなキムタクさんが、

“正解は、ない。「私」があるだけ。”

“わたしは、私。”

そう言っていた。

こういうキャッチフレーズが、
時に誰かのひとつの答えへと導かれるのだろう。
キラキラとし過ぎていない雨の渋谷に、
いい感じに馴染んでいた。

 

病院に行くと思い出すことがたくさんある。

そういう風に書くとネガティブなように聞こえるが、
忘れたい辛い嫌な思い出とかでは無く、
むしろその逆で。

入院した病室はすごく良かった。
毎晩、東京タワーを眺めていたし、
天気のいい日には富士山も見えた。

 

あの光景は一生忘れない。

本当に美しかったから。

 

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