REC.18:諦める自問自答

1番に起きて、
1番にシャワーを浴びた。

お化粧の分だけ、
みんなより早めに準備をしなくちゃならない。
こういう時に女性は大変だよな。

そんな風に思いながらお化粧をする。
必要最小限のお化粧品。

普段使っている分だけを持ってきたのだけれど、
その量を見て「お前が言うなよ」と思った。
片手で握れる分しか普段使っていないのだな。

10分で終わった。

車で出発。

星くんが持っているのは、
車で聴こうと西川氏が持ってきたCD。

「それでも聞けるから大丈夫」

大胆な割れ方をしていて、
デッキにCDを入れるのも躊躇うレベルだったけれど、

「絶対大丈夫」

という言葉を2回聞いたので入れたものだ。
実際、ちゃんと音は流れた。

CDって案外強いんだな。

 

スタジオに着く前にコンビニでお弁当を買った。

西川氏おすすめの唐揚げ弁当。
何日もここへ通っているが、
私は初めてお弁当を食べた。

歌を録る日、録る可能性のある日は、
そんなにお腹いっぱいには出来ない。
だから今まで買っていたものは、
合間にちょこっと食べれる菓子パンやおにぎりだけ。

今からどこかへ遊びに行きたいくらい、
すごい良い天気。
外のテーブルとベンチでいただいた。

美味しかった。

スタジオへ向かい、昨日の続きを。

とても細かい作業が続く。

ひとつを変えると他が気になる。

ほんの少しの変化も見逃さぬよう、
一番いいバランスを探す。

時間は限られているから、
気持ちに焦りも出てくる。

曲と曲の合間にやってくるしばしの休憩で、
毎回、その焦りを何とか払拭せねばと思う。

それを曲が終わる毎に思うわけだ。

曲を聴いている間には一切考えていないわけで、
だからこそ、なのだろう。
終われば必ずそう思っている。

こんなにも悩むものか。
自問自答が繰り返される。

 

午後8時を過ぎた頃に、
ギターが入っている曲が全部終わり、
星くんにはお休みしてもらった。

そのまま運転して帰らなければならないから。

ラスト2曲に入る頃にわかっていたこと。

その頃にはもう、
目標だった今回だけで完成させることは、
無理だということ。

 

決して後ろ向きな諦めではない。
そのために妥協することの方が諦めなのだ。

ラスト1曲という頃は、
とっくに日付が変わっていた。

 

 

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