天晴の日

朝早く、空港へ行く。
母のお迎え。

 

『月の塔』

 

急ぎ足で目的地へ向かう。
昨日と同じ場所へ。

昨日は姪っ子と駅で待ち合わせた。
その時は少しだけ迷った。
それに雨も降っていた。

涙の雨だ、と思った。

今日は見事に晴れた。
だから昨日行ってて良かった。

お別れの日。

天晴。

訃報が届いたのは11日の早朝だった。

ちょうどレコーディング最中、
10日の21時頃に危篤の連絡があった。

それから8時間後。
早朝5時ちょっと過ぎ頃に、
兄からメールが来ていた。

6時頃に私の電話が鳴った。
出れなかった。
鳴っていなかったから。
電話は確かに鳴っている。
でも着信画面が無い。

叔父ちゃんかな、と思った。

15秒くらい鳴った。

私は叔父ちゃんに、
父の面影をいつも探していたけれど、
叔父ちゃんは本当に面白くて、
皆を笑わせる叔父ちゃんを見ては、
「父はもっと無口だっただろうなぁ」
そんな風に勝手に思っていたよ。

これからは、
お父さんと一緒に、
向こうでお酒飲んでね。

 

おじちゃん。
ありがとう。

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