第5章:空には線が

早朝から内宮へ。
日曜だからか、昨日よりは人が多かった。
それでも空気は伸び伸びとしていた。

「またこちらに来れますように」

今回、無事に辿り着けたことへの感謝とお祈りを。

せっかくだからと参拝後に、
朝5時から開いている赤福本店で赤福餅をいただいた。

きっとこれから何十年、何百年先も、
ずっとずっと変わらぬ味なのだろうな。
そうであってほしいと思った。

そういえば。

猫がたくさん居た。
ネコ好きさっちゃんのためのような時間。
さっちゃんの疲れが吹き飛んだ瞬間。
これから先、
ネコを見つけたら「さっちゃん!」
これが口癖になりそうだな。

宿をチェックアウトした後は、
バスに揺られて朝熊岳金剛證寺(あさまやまこんごうしょうじ)へ。

WEBサイトに掲載されていた言葉。

伊勢神宮の鬼門を守る寺として、
神宮の奥之院ともいわれ「お伊勢参らば朝熊をかけよ、朝熊かけねば片参り」と
伊勢音頭の俗謡にも唄われ、参宮する人々は当寺に参詣するのが常でありました。

そう書かれていたし、
バスも土日のみ運行で今日は日曜日。
「時間もあるし行くしかないでしょ!」と。

バスが到着した場所は山上広苑バス停。

伊勢湾に浮かぶ島々。

ここからの景色を目にした瞬間、
何故だか涙が出てきた。
胸にこみ上げてくるものが凄くて、
呼吸が苦しくなった。
(標高のせいかもしれない。)

首にタオルをかけていて良かった。

お楽しみランチは宇治山田駅のすぐ近く
「海鮮食堂 三幸丸」海鮮丼を頂いた。

やっと海の幸をいただけた。
真夏日のような天気で疲れた身体に、
海苔汁がすごく染みた。

そのあとはそれぞれが行きたいところへ。

私は、初日に外宮で見たお馬さんが忘れられず、
さっちゃんが合流前に外宮を訪れた時にはいなかったということもあり、
あの凛とした姿とキュートな表情を見て欲しくて、
「頼むから居てくれ!」という思いで会いに行った。

「居たー!」

(写真は初日と同じです)

近くでイベントがあり、
音が気になったのか奥の方に居たけれど、
しばらく待っていたらお顔を出してくれた。
笑智(えみとも)さんの虜になってしまった。

また会いに行きたい。

最後は内宮の別宮、月讀宮へ。
ゆっくりたっぷりと時間を取った。

夕方18時になろうとしていた。

眩しかった日差しは和らぎ、風が心地良かった。

月讀宮を出て見上げた空は美しかった。

数え切れないほどに、
写真には映せないほどのたくさんの細かい線が、
空に描かれていた。

そろそろ東京へ戻らなきゃ。
そんな思いでバスに乗る。

空にたくさんの線が。
あちこちに。

バスに乗っている間も空に夢中だった。

その線がどこから始まってるのかなんて、
ちっともわからないけれど、
同じ方角から始まってるんだろうな。

そんなことを考えていた。

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