後書『Wel come to パラダイス』:向こう側へ

16日早朝。

15日の夜から続いた打ち上げは、
笑い声が終始あふれた。

疲れてウトウトしてる子の横顔だとか、
酔って声が大きくなってるあの子とか、
真剣な顔をして何か話している様子だとか、
目に映る光景が懐かしくもあり。

途中でゲームをしたりして、
ここには書ききれないほどの思い出が出来た。

店を出たら空がきれいだった。

電車に乗るため駅へ向かう。
ひとりひとりと方向が別になって、
群れの人数が減っていく。

私は一滴もお酒を飲んでいないせいか、
まだまだ元気いっぱいだった。

何なら今からみんなでどこかへ行きたいくらい。

すごくいい天気だったから。

家に到着して、特別な場所へ。

コンビニで買ったアイスコーヒーを飲みながら、
そこでしばらく一人で過ごした。
ちっとも眠くなかった。
お芝居のために作った歌を少し歌っていた。

曲は一気に作った。
本番まであと1カ月ちょっと、
というところから始まった。
だから、最後に作る頃には、
一番初めに作った曲を忘れてしまっていた。

長さは長くなくとも量が多く種類が多い。

ストーリー順に作りたかったが、
振り付けがある曲を優先的に作らなければならない。
普段、作ることのないラップは、
入り口を見つければすらすらっと出来た。
(入り口を見つけるのが大変だったが。)

それぞれのいただいたイメージで、
歌詞とメロディを付ける。
言葉選びには苦労する。

これは毎回のことだ。

提出する参考音源の歌は、
部屋で毛布を被って歌って録音したことなど、
作曲段階のあれやこれやを思い出していた。

頭の中に音が流れると、
やっぱりそのシーンを思い出す。

お稽古中から本番までの景色。

何日間も一緒に過ごしたみんなを愛おしく思った。

みんなの表情からわかること。
笑ったことも、
悩んだことも、
イラっとしてたことも。

どれも本当に宝物。

『Welcome to パラダイス』
舞網(マイアミ)でみんな、
元気に笑ってるんだろうな。

空のうんと向こう側にある町。

「そろそろ寝なきゃ」

眠たくなかったけれど、
その思いを最後に部屋へ戻った。

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