ふと目に入る光景に見とれる。
見上げた天井。
直線と直線が交わり
模様が描かれて行く。
届けられた言葉に胸を痛める。
痛めるもどこかで
「やっぱりそうか」なんて思う。
その痛みに私は、
気付いていたのだろうか。
どこかで既に、
わかっていたことなのだろうか。
この天井を眺めながら、
繰り返される言葉と、
繰り返される自問自答。
「これだ」
という答えも見つからぬまま、
これでもか、これでもか、と。
ただ、ひたすらに見上げる。
顔を上げる。
回想録 : written by Ayako KUNIYOSHI