エンドロール

たまたま同じ日の同じ時間に

たまたま同じ行き先で

たまたま同じ新幹線に乗る

ひとりのお爺ちゃんと過ごす時間。

お爺さまは久々の帰省だったよう。

東京に出てもう60年と仰っていた。

新幹線のホームでお話をしながら新幹線を待つ。

自由席だからと私の分まで席を取ってくれた。

東京までの3時間。

色々なお話をたくさんして下さった。

 

明日からお爺ちゃんはお仕事だと言っていた。

ケアサービスのお仕事をされていると。

「80にもなる爺さんが老人を介護してんだ。」と笑ってた。

「来るなって言われないんだよ、ありがたいよな。」

そう言っていた。

「それにしてもラッキーだぞ。」

「こんなに綺麗に見えることは、なかなか無いぞ。」

外の景色を眺めてそう言った。

 

「あなたも目標があって達成しただろ?」

「そうだ、目標はいつでもあった方がいいぞ。」

「常に何かある方がいいんだ。」

 

そんな話をしたのは、到着10分前くらい。

それ以外は
「このトンネルは長いぞー!」
「ここの有名なのは・・・」

そんな話だった。

 

とても大切な時間。

忘れらない3時間。

忘れたくない3時間。

 

旅の最後の最後に、

こんな素敵なエンドロールが待っていたなんて。

 

名前も知らないお爺ちゃん。

どうかいつまでもお元気で居て下さい。

 

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