猫語わからないもので

夜、歩いていると、
どこからか聞こえて来る猫の鳴き声。
段々と近付く鳴き声。

猫が居たのが、
20メートルくらい先でびっくり。
鳴き声に気付いた時、
すぐ近くにいるもんだと思った。

子猫のめちゃくちゃ大きな鳴き声。

一定のリズムで、
一定の音程で、
同じ方向に向かって鳴いている。

何か、訴えたいことがあるんだろうな。

猫語がわからないもので、
汲み取ってやれなくてすまない。

スマホを向けても、
顔の方向は変わらなかった。
ちっともこっちを見てくれない。

「じゃあねー」
そう言って通り過ぎた時、
声が少し止まったので振り向いたら、
チラリとこちらを覗き込んでいた。

目が合ったらまた、
何事もなかったかのように、
同じ方向へ鳴き続けた。

認識してもらえたようで嬉しかった。

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