雷さま御三方

夜中の雷が凄くて、
ちっとも眠れなかった。

寝ている部屋は和室にお布団。
ちょうど頭の上にある窓は、
障子越しで眩しすぎた。

まるで羊の数を数えるように、
光って何秒でゴロゴロ音がするのか、
数えていたら眠れるような気がしたけど無理だ。

あまりにも凄いもんだから、
段々と目も頭も冴えてきたぞ。
写真を撮りたくなった。

そう思ったものの、うまく撮れない。
そうだ。
ピカってした時にシャッターを押してるようでは遅い。
遅すぎる。
連写していればどこかでピカってするだろう。

そう思ったけれど、
さっきまであんなにピカピカしてたのが嘘みたい。

雷さまは意地悪だなぁ。
そんな風に思ったら、
ドリフの御三方の姿が頭を過ぎった。

あれ、好きだったなぁ。

しかし何枚撮っても上手くいかない。
写真では無理だ。
そう思って今度は動画にしてみた。

かろうじて撮れた一瞬。

その瞬間を写真に切り取る。

「あれ、さっきより光の勢い弱まってない?」

全然関係無いのに、
頭の中で完全に、
ドリフの御三方に話しかけてた。

眠れないと思っていたけれど、
やっぱりちょっと私、
ぼんやりしてたんだと思う。

頭の中にドリフの雷さまが居て、
御三方に真剣に話しかけてた。

気が付いたら朝だったから。

何というか。
子供の頃に見てたのって、
しっかり記憶に残っているもんで。

きっと聞いてきた音楽も、
言い聞かせられて来たことも、
知らない間に染み込んでいるんだろう。

名前を出さずに、
雷さま御三方って書いたけど、
同じ御三方を思い出している人、
絶対たくさんいると思うしね。

(あなた、きっと同じ世代です!)

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