母と食とヘアと靴と私

お昼ご飯を作る。

レタスにきゅうりにトマトと豚しゃぶ
稲庭うどんにゴマだれをかけて。

「もっと深い皿に入れないと!」

母が私にそう言った。

「ガラスの器で涼しげでいいでしょ」
声に出さずに心で言ってそのまま食べた。
絶対にそう言うだろうと思ったから、
母の器は深めのお皿で用意していた。

私と母。

似ている部分も多いが、
正反対の部分も多い。

母は肉より魚の方が好きだ。
肉の脂身は好きではない。
ご飯(お米)はあまり食べない。

などなど、
思いつくことは食べ物のことばかりなのだが、
書いていて気が付いたことがある。

これに関しては決して正反対ではなく、
改めて私がただの食いしん坊なだけだということ。

母が好きなものはもちろん、
母が食べられないもの、
あまり好きでないものも、
私は全部美味しく食べられるだけだ。

食べ物以外で思いつく正反対のこと。

まず、ヘアスタイル。
これは、母の一番のこだわり。
茶髪の巻き髪。
ホットカーラーで毎朝セットをする。
湿度の多い時期だとセットが崩れて、
ちょっと機嫌が悪くなるほどだ。
もう何十年もこのスタイルだ。
美容室に行っても最後は自分でセットしている。

私は髪型にこだわりはなく、
コロコロとすぐに変える。
今現在、次はどうしようか悩み中。

もうひとつ。
私が苦手なヒールの靴。
母は絶対にヒールのある靴しか履かない。
スニーカーなんて見たことない。

そこだけは違うと思っていたのだけれど、
年々、ヒールが低くなり、
今ではぺったんこの靴もある。

ほんの少し嬉しいと思うと同時に、
それだけ母も年齢を重ねたということだよなぁと、
しみじみ感じさせられる。

それは同時に、
同じ分だけ年月が流れたのだと、
自分の年齢を感じさせることでもあるわけで。

コメントを残す