6月某日の特等席。
ここに来たのは実は2度目。
最初に来た時のことを覚えている。
座った石の場所もそのままだ。
あの日と月の角度が違っていた。
もう少し暑かった気がする。
あの日と同じ場所に座る。
気付けば周りに猫がたくさん居た。
今度ここを訪れる時は、
もしかしたら、
東京を離れると決めたときかもしれないな。
何の根拠もなく、そう過る。
その頃には、
ここはまだあるのだろうか。
宵うち過ぎて、子(ね)のときばかりに。
訳:夜も更けて、子の時刻(午前零時)ごろに。
回想録 : written by Ayako KUNIYOSHI