東京へ戻る日。
起きたら母はとっくに仕事に行っていた。
いつものことだ。
飛行機は夜の時間だったので、
郵送する荷物の準備をしたり、
使っていたタオルやシーツや枕カバーの洗濯、
キッチンや家の片付けを出来る限りの範囲で。
荷物を送るため近くの郵便局まで行く。
そのついでに近くのスーパーで買い物を。
もう直ぐ旧正月がやってくる。
2月16日。
沖縄のどの家庭のキッチンにも必ずある、
ヒヌカンにお供え物とチャーギを買った。
ヒヌカンはこちらでいう神棚のような感覚かな。
チャーギはお榊のようなもの。
お線香を立てて手を合わせた。
想いをひとつ、置いて行く。
空港へ向かう車の中。
何だかやっぱりさみしい。
このさみしさを吹き飛ばすように、
「きれいだね、相当きれいだよ!そう思わない?」
そう母に元気いっぱいに聞いた。
返答にはちょっと間があった。
「ちょっと思う」母はそう言った。
夜の飛行機に乗るのは久々だ。
飛行機の中は快適だった。
こんな風にタッチパネルのディスプレイ。
動画もたくさん入っている。
NHKでやっていた”フルハウス”。
よく見ていたアメリカのドラマもあった。
当時、それに出ていた赤ちゃんの女の子、
ミシェルに似ていると言われたことがあって、
そのことを西川氏に話しながら見ていたら、
「わかる気がする」と笑っていた。
しかしすごいなぁ、飛行機。
音楽を聴くのはもちろんだけれど、
スティングのライブビデオもあった。
ニュースも見れたし、アニメやバラエティまで。
飛行機は少し遅れていた。
終電ギリギリだったから少し不安になる。
でも間に合わなかった時のことは、
ふたりとも考えていなかった。
何とかなるだろう、そう思っていた。
予想通り、
私も西川氏も何とか無事に間に合った。
(ちょっと走ったけれど!)
新宿駅で西川氏と分かれた後、
私は先日のラジオのYouTubeを見て、
ひとり必死に笑いをこらえていた。
あぶないあぶない。
これはもう1回くらい再生するだろうな。
眠れない夜なんかに。
もしよろしければ、
お時間ある時にでもご覧ください。
あの、本当にお時間ある時に。
数日間、誰かと過ごしていて、
急にひとりぼっちになったという
心細い気持ちが吹き飛ばされる。
音楽が流れると
条件反射で身体が勝手に揺れてしまうんだな。
と改めて気付かされた。
そして。
バレンタインデーだったこと。
家に帰って日付が変わって気が付いた。
だったんだなって。
“ハッピーバレンタイン!”
誰かが誰かに
気持ちを贈りたいというのは
きっと素敵なことだ。
チョコは食べたら無くなるし、
花束は枯れてしまうし、
人の気持ちは変わってしまうけれど。
それでも変わらない愛や想いも、
この世の何処かには、きっとあるはず。
それを見つけることは難しいのだろうけど。
あなたの想いがきちんと届きますように。
祈っています。