心を満たすもの

ガタンゴトンと電車に揺られ、
降りた駅からバスに乗り換える。

 

行ったのは希望のご指定曜日の日曜日。
日曜の病院はとても暇なようだ。

私の時も、確かにそうだったよなぁ。
なんて思い出す。

偶然にも向かった病院は、
家から遠いものの、
何度か訪れたことのあるところ。

兄が何年か前に入院したところで、
そして十何年前には、
この病院で姪っ子が生まれた。
その姪っ子も、もう中学生なんだな。

だからと言って、
行き方を覚えているわけではないので、
やっぱりちゃんと調べて行く。

バスはそんなに乗り慣れていないから。

ひっそりとしたバスの中。

指定された時間帯に無事に着きそうでホッとする。

曜日と時間帯を指定してくるなんて、
なんてワガママなやつなんだ!

そんなところも可愛く思える。

面会受付を済ませ、
教えてもらったお部屋へ。

下の階の喫茶店まで行く。
色々な話をする。

手術はどうだったとか、
全身麻酔って本当すごいよね、とか。
何時間も滞在して、
たくさんたくさん話して、
疲れなかったかな。

そんなことも気にならないくらいに、
もちろん痛いんだろうけど、
スタスタと歩くもんだから、
逆に元気をいっぱいもらってしまった。

 

帰りのバスの中。
私はここに来たかったんだなぁと実感。
会いたかったんだな。

ずっと考え事をしていた。
そして、ふと窓の外をぼんやりと。
それをひたすら繰り返す。

だからかな。
小銭入れをなくしてしまった。

一体、どこで落としたんだろう。
今、どこにあるんだろう。

それでもいいやと思えるくらいに、
たった数時間の語らいで、
心が満たされてしまっていた。

 

Seeya!

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