世田谷線

上京して3年目頃、
下高井戸に住んでいたことがあった。

先日の豪徳寺で見た世田谷線、
たくさんのことを私に思い出させた。

今まで住んで来た家の中でも、
当時の家が1番良い家だった。
新築だし5畳のダイニングキッチンと6畳の部屋。
すごく広くて伸び伸びと暮らしていた。
駅からも徒歩5分以内ですごく良かった。

普段は京王線ばかりを使っていた。
時々、眺めるだけの三軒茶屋まで走る世田谷線。
初めて乗った時には緊張したなぁ。
特に予定も何も無く三軒茶屋まで行ってみたら、
なかなかわくわくする街で。

その後、吉祥寺に引っ越してからはすっかりご無沙汰になった。

その時に楽しかったことほど、
悲しい思い出になっていたりする。

楽しかったことばかりを思い出してしまって、
とても悲しく寂しい気持ちになる。

忘れたいと思っていること、
忘れちゃいけないと思っていること、
どちらも似たり寄ったりで、
まだまだ自分の気持ちに、
決着がつけられていないのだと気が付く。

電車には目的地がきちんとあって、
私にはそれが見つからない。

お店のすぐ側を走る世田谷線を、
ベランダから見下ろした。
あんな風に真っ直ぐに走りたい。

時間が解決することは、
たくさんあると思うけど
決して時間は待ってはくれないのだ。

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