「そうだ、阿佐ヶ谷に行こう。」
朝の9時半。
道を歩いている時に急に思い立った。
家では洗濯機が回っていた。
終わって干したら出掛けよう。
年明けに行こうと思っていながら、
行けなかった場所がある。
ふらりと立ち寄ればすぐに終わる。
時間の余裕もそれなりにあったはずなのに、
延ばし延ばしになっていた。
「いつでも行ける」
そう思うとなかなか足が向かず、
行きたい気持ちの間に行かないと行けない。
年始は大分過ぎてしまったが、もう今しかない。
そう思った2月18日。
2020年7月まで住んでいた街、阿佐ヶ谷。
懐かしい風景が目の前に広がる。
駅から降りて右に行こうか左に行こうか少し迷う。
住んでいた場所とは反対方向へ向かう。
私が行きたかった場所。
駅から2分くらい歩けば着く阿佐ヶ谷神明宮。
御祭神は天照大御神。
目の前に鳥居が見えてくる。
近付くほどに気持ちが引き締まる。
鳥居をくぐる前に一礼。
込み上げて来る。
涙が出そうになる。
阿佐ヶ谷に住んでいた当時は何度も訪れた。
住み始めてこの場所を見つけた時、
「だから私はきっと、ここに住みたかったんだ」
そう思ったくらいに大好きな場所。
やっと来れた。
木漏れ日が眩しい。
天気に恵まれた。
想像以上に人が多かった。
旧正月だからかな、と思った。
旧正月には馴染みがある。
沖縄では今でも正月より旧正月を重んじる地域も多い。
幼い頃は集まった記憶がある。
ちなみにお盆も旧暦。
本殿に向かい静かに手を合わせる。
合わせた手の温度を感じる。
少しざわついてた周囲の声が聞こえなくなる。
心が静かになる。
やっぱり気持ちが引き締まる。
心の中で何か願いたいことがあったはず。
でも実際には
「また来れました」
「ありがとうございます」
「また来ます」
「それまで精進します」
それくらいしか出てこなかった。
目的はこのお守りを買うこと。
私が手首に付けているのを見て
関西の遠征ライブでいつも泊めてもらっていた
大阪在住の沖縄の友達も
「私も欲しい!」とのことで、
ホームページから色味を選んでもらい、
次回の遠征時にはお土産として買って行ったりもした。
このお守りはとても人気があるようで、
神明宮のホームページからも購入出来るようになっていた。
https://shinmeiguu.com/kanmusubi/
その方法が現金書留というのがまた良い。
初めて見た時から気に入り何度も購入。
これは何本目なのだろう。
色やデザインが好みなのはもちろん、
何より月読尊さまのお守り。
私は月が大好きだ。
きれいな月を眺めていると、うっとりする。
どれくらいでも眺めていられる。
段々と「月に帰りたい」に近い気持ちになる。
もしかして私は、
月から来たのでは無いか・・なんて思った程。
そのような想いを抱くようになった日々を、
今でも鮮明に覚えている。
とんでもなく辛く、
とんでもなく幸せだった日。
私のどんな姿も月はずっと見てくれていた。
だから頑張れると本気で思った日々がある。
正直お守りという意識はあまりなく、
お気に入りのブレスレットとして使う感覚が強かった。
それでもやっぱり【お守り】だったんだと思う。
毎年「1年間ありがとう」という気持ちで、
古札納め所に返納し新しいものを購入していた。
ライブ中もよくBaby-Gとセットで付けていた。
ずっと側に居てくれたんだよね。
今まであまりにも無意識だった。
こんな風に改めて考えられたことは、
私にとって大きな気付きだ。
阿佐ヶ谷という土地を離れたからなのかもしれない。
今はRPG・ロールプレイングゲームでいう
強力な味方や武器を手に入れたような気分。
「〇〇を手に入れた!!」みたいな。
阿佐ヶ谷へ行き購入からもう一週間。
まだ封は開けられていない。
愛おしく思えたから。
開ける瞬間に構えてしまうようになった。
開封出来るのだろうか。
保管用にもう1本買おうかな。
いや、それはやめておこう。
今回買ったものを大事に大事に。
私の全てをしっかり見届けてもらおうと思う。

