1番に起きて、
1番にシャワーを浴びた。
お化粧の分だけ、
みんなより早めに準備をしなくちゃならない。
こういう時に女性は大変だよな。
そんな風に思いながらお化粧をする。
必要最小限のお化粧品。
普段使っている分だけを持ってきたのだけれど、
その量を見て「お前が言うなよ」と思った。
片手で握れる分しか普段使っていないのだな。
10分で終わった。
車で出発。
星くんが持っているのは、
車で聴こうと西川氏が持ってきたCD。
「それでも聞けるから大丈夫」
大胆な割れ方をしていて、
デッキにCDを入れるのも躊躇うレベルだったけれど、
「絶対大丈夫」
という言葉を2回聞いたので入れたものだ。
実際、ちゃんと音は流れた。
CDって案外強いんだな。
スタジオに着く前にコンビニでお弁当を買った。
西川氏おすすめの唐揚げ弁当。
何日もここへ通っているが、
私は初めてお弁当を食べた。
歌を録る日、録る可能性のある日は、
そんなにお腹いっぱいには出来ない。
だから今まで買っていたものは、
合間にちょこっと食べれる菓子パンやおにぎりだけ。
今からどこかへ遊びに行きたいくらい、
すごい良い天気。
外のテーブルとベンチでいただいた。
美味しかった。
スタジオへ向かい、昨日の続きを。
とても細かい作業が続く。
ひとつを変えると他が気になる。
ほんの少しの変化も見逃さぬよう、
一番いいバランスを探す。
時間は限られているから、
気持ちに焦りも出てくる。
曲と曲の合間にやってくるしばしの休憩で、
毎回、その焦りを何とか払拭せねばと思う。
それを曲が終わる毎に思うわけだ。
曲を聴いている間には一切考えていないわけで、
だからこそ、なのだろう。
終われば必ずそう思っている。
こんなにも悩むものか。
自問自答が繰り返される。
午後8時を過ぎた頃に、
ギターが入っている曲が全部終わり、
星くんにはお休みしてもらった。
そのまま運転して帰らなければならないから。
ラスト2曲に入る頃にわかっていたこと。
その頃にはもう、
目標だった今回だけで完成させることは、
無理だということ。
決して後ろ向きな諦めではない。
そのために妥協することの方が諦めなのだ。
ラスト1曲という頃は、
とっくに日付が変わっていた。